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この世界の片隅に の感想

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2016/11/28 鑑賞

ここ最近各所で絶賛されていて、観ないなんてありえない的雰囲気のため、アニメ嫌いの私ですがメンズデーで鑑賞

 

あらすじ

広島市出身主人公が呉市に嫁ぐ。しかし時は戦時下。日々激化する戦況のもとそれでもそこに確実に生きている家族の様子を描く。

 

今作が響いた社会的背景

良い点というよりも今この映画が響く点として、戦後70年経った日本というコミュニティの特殊さが挙げられる。

日本人のほとんどが戦争の悲惨さと歴史について教育を受け、
沖縄でひめゆりの塔とか語り部の話とか聞き、
毎年夏には社会全体が「過去我々は過ちを犯した」ムードになり
反戦作品や戦争映像などが目に入る。

しかし、実際に戦争の記憶がある世代が居なくなってからしばらく経ち、
日本人個々のどこかで
「戦争だけは発生させてはならない。
とは言ってももう戦争は起きないし、戦争とは過去ずっと遠くで起きたもの
という認識があると思う。

対岸の火事のような、911報ステのモニターで見てるような。

もちろんそれは悲惨さが度を越して想像できない部分もある。
風化したのではなくリアリティに欠けてしまう部分が。
それで戦争がなにか異世界の話に感じてきた。

また戦争とか政治的な話をすると「右左」だとか必ず意見が分かれて、反対派から叩かれる。
日本人は議論が苦手、反対されるの苦手。
よって「不倫」という10割悪いことを一斉に袋叩きすることに徹する。
そんな状況なので戦争を「絶対にいけないこと」という以外の扱い方をすることが出来なかった。

 

今作の凄さ 

今作は徹底的に政治的な色を排除することで、だれでもが同じ方向を向ける普遍的作品になっている。
何らかの意見が入っちゃうと、「映画として良くてもメッセージが嫌」という見方が出ちゃうが今回は全くない。
故に誰でも褒めることができる。

そして日本人の戦争観(どこか遠い国の悪いイベント・黒歴史)に対して
「実際に起きた出来事なんだ」ということを今までと違った形で突きつけた。
これが凄い。

意見を表に出さず絵で表現してきた主人公が、
戦争という“悲惨しかない”と今まで思われてきた状況において、
必死に生きる、必死に楽しんで生きる。生きようとする。
という我々と変わらない点のみを描くことで、
現代との差が「戦争」という状況のみなんだと。

 

ゆえに「戦争」とは実際にあったことで、ここまで人々の生活に影響を与えたものなんだと示し切った。

 

話としてドラマチックではないのに、日本人のアイデンティに響かせるため、言語化不能な感動が襲ってくる。
この作品みると何でか泣ける。
劇場をあとにした帰り道に思い出して、なんでかまた涙腺に響く作品。

そんなパワーを持ち、日本人なら誰でも褒めていい戦争作品今までなかった。
なのでこの絶賛なんでしょう。アニメというツールも、サザエさんドラえもんから続く日本人が何も障害なく入っていける伝え方なんでしょう。

 

まとめ

一言でいうなら
「戦争を特別な土俵で語るのではなく、現代人と同じ高さの目線に置いて語った」
という凄さ。
これが絶賛されていると思った。
戦争を時代劇にしていないとも言えるかも。

観たほうがいいんじゃないか。そしてあなたはどう思うのか。それを大切にした方がいい気がする。

 

採点79点